ピーター・ティール 〜世界を手にした「反逆の起業家」の野望〜 の感想
今日のブログは、ピーター・ティールの本についてです。
本屋で見たときは、
「お前誰だよ!?(ジョジョ立ちじゃんwww)」
と思った僕ですが、読んでいくうちに強く引き込まれていきました。
彼はオンライン決済システム、ペイパルの産みの親であり、ザッカーバーグに投資してFacebook設立を助けたベンチャー投資家であり、トランプ政権の仕掛け人でもあります。
比較的極端なリバタリアンであり、テクノロジー信者でもあります。
アメリカの名門、スタンフォード大学で哲学を専攻しその後にスタンフォード大学のロー・スクールを卒業して法律家になったティールは、数年の勤務の後、連邦最高裁判所の事務官に応募しましたが、落選します。
それから、法律事務所、投資銀行のディーラーとして勤務したティールはスタンフォードでVCを立ち上げますが、彼はここまでの人生を振り返った上で
「Competition is for losers(競争は負け犬のものだ)」
と述べています。
しびれました。
やっぱり勝てる分野での競争は楽しいですし、そこに魅力を感じてしまう自分はいます。
ティールは自分の模範的な学歴を自嘲して、才能ある若者たちが皆同じエリート大学に入って数少ない専門分野のいずれかを学び、決められたレールの上を走る社会に対して警鐘を鳴らしています。
これまんまT大学だし、医学部じゃん…
思いました。強く感じました。
理科三類出身で普通の臨床医するのは、偏差値的に底辺大学出身でも同じことできるからコスパ悪いというのは確かにある。東京にいるから学会のまとめ役になりやすいってのも能力が勿体ないし、そもそも夢がない。https://t.co/ELeCPGnEOi
— Zetton (@Dr_Zetton) 2018年4月30日
Zetton先生のツイートと相まってグサグサ心に刺さります。
僕個人に限って言えば、医者にはなりたかったから後悔はしてませんが、もっと他の選択肢を考慮してもよかったかなぁと反省は少しだけしています。
ただ、医療を学ぶことで見えてくる課題などがあることも事実です。
無駄な時間にならないように本業の方も頑張りたいと思います。
さて、本の感想の方に戻ります。
ここからは、実際にティールが行なってきたビジネスや携わった企業の紹介、ティールの考え方、史上最大の投資家であるウォーレン・バフェットとの共通点、アメリカ大統領選での取り組みや未来戦略などが立ち並んでいます。
幅広い取り組みやセンセーショナルな野望が並びます。
(死の克服、海上国家など)
ここまで多くのことを管理しきれるのかなという点には少し疑問を持ちましたが、10年後の社会が楽しくなるような内容が並んでいました。
今のキャリアに疑問を持っている若い社会人、大学生が、自分の今後の人生を考えていくきっかけとしては最高の本だと思います。
ここまで書いた時にTwitterでこんなニュースを見ました。
富裕層向けビットコイン取引、ティール氏次なる賭け #仮想通貨 #ビットコイン https://t.co/csSVpLuEZH
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2018年5月3日
ティールは仮想通貨にも手を出すそうです。
リバタリアンの彼からすると、通貨を国家権力の縛りから自由にすると言ったところでしょうか?
彼の野望の行く末を見届けたいと思います。
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